2021年09月23日
泥藍を作ろう
9月11・12・18・19日の4日間、十余人の方が参加して、泥藍作りワークショップをしました。
前の日までに、会場の「まぁる農園」にテントを並べ、120ℓのポリバケツを2つ置いて準備を整えました。
親しみやすい規模で泥藍作りを体験していただくために、今回はこの2つのポリバケツがメインの道具になります。
【11日土曜日】
初日は朝9時に集合。さっそく参加者の皆さんで農園内の琉球藍の収穫を行いました。
琉球藍は切り株がまた次の収穫の基になるので、地面から20cm程を残して、鎌で丁寧に収穫していきます。
収穫した18.5kgの琉球藍を10kgと8.5kgに分けて、2つのポリバケツに茎ごと詰め込み、重りを乗せた状態で水をひたひたにしました。
こうして、琉球藍の中の成分「インディカン」が発酵の働きで分解し、水の中に染料「インドキシル」が溶け出して来るのを待ちます。
【12日日曜日】
琉球藍を水に浸け込んでからの平均水温は約28℃。
参加者の皆さんはお昼頃集合して、お弁当を食べたりしながら、ポリバケツの中の水や琉球藍の変化の様子を観察しました。発酵期間を終わらせて次の工程に入るタイミングはこうした観察から知ることができます。
午後2時ごろ、いよいよいい感じになってきたので、攪拌の作業に移ります。
水温と発酵期間の関係の過去データなどを見た後、ポリバケツから琉球藍を取り除き、残った黄緑色の水に少しずつ消石灰を溶かしていきます。
後は、ひたすらかき混ぜます。するとポリバケツの中のインドキシルは水素を奪われて酸化し、どんどん藍色の「インディゴ」が生まれてきます。
しっかり攪拌した後は、ポリタンクに綺麗な水を足して一杯にし、静置します。
インディゴは水に溶けず沈殿して、ポリバケツの中は上澄みと沈殿物とに分かれていきます。
【18日土曜日】
前の日まで毎日ポリバケツの水面にできる膜を取りながら、作業は6日間お預けにして待っていました。
10時に集合。まず、ポリバケツの中の上澄みを丁寧にすくい出し、現れた沈殿物に綺麗な水を加えながらそっと別の容器に移して不純物を濾し取りました。
今回不純物を取り除くこの精製作業は、時間を短縮してコンパクトに行いました。
あとは、ポリバケツ2つ分を一つにまとめ、厚めの布の上に移して水が切れるのを待ちます。
【19日日曜日】
最終日はお昼頃集合しました。無事、布の上で水が切れペースト状になった泥藍に会うことができました。
水を切った泥藍を、容器に移します。
収穫から始めた泥藍です。皆さん協力して少しも残さないように丁寧に作業をしました。
できた泥藍の重さは3.1kgでした。とても綺麗な泥藍ができましたよ。
参加者の皆さんには、工程を一通り経験して泥藍作りを身近に感じていただけました。
既に植えてある藍でさっそく泥藍を作ってみよう。うちに琉球藍を植えてみよう。などなど、楽しそうに話し合っていらっしゃいました。
たくさんの人に藍染めを知って頂き、藍染めが地域の暮らしに役立つようになるといいなぁと思っている私たちにとっても、たいへん有意義な4日間でした。
すごく楽しかったし、今回定員オーバーで参加出来なかった方もいらっしゃったので、またいつかやりたいと思ってます。
追記
このワークショップで作られた泥藍の中から2kgが、さっそく工房で藍建てされ見事染料になりました。
今日(10月1日)、藍建て4日目の様子です。
水面の画像。自然に泡が立ち、紺や紫の光の反射が見えます。
水中にピントを合わせると、、、
水面の下は、緑色を帯びています。
染料「ロイコインディゴ」がたっぷりと出来てる証拠で、いかにも良く染まりそうです。
早速、工房のメインの藍がめに加えられ活躍しています。
<藍建てメモ>
- 容器:25ℓ
- 泥藍:2kg
- 水:16ℓ
- 蜂蜜:100g
- 泡盛:100cc